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個人事業主の経費、基礎の基礎|何が経費で何が経費でないか

個人事業主・フリーランスが押さえておきたい「経費とは何か」を、所得税法第37条の原則から解説。日常の判断で迷わない考え方と、私生活との境界線の引き方を整理。

最終更新: 2026-04-15

経費とは何か

個人事業主・フリーランスとして仕事を始めると、必ず向き合うことになるのが「経費」の概念です。 「これは経費にできる?」「自宅で仕事しているけど家賃はどう扱う?」といった疑問は誰もが通る道です。

経費とは、シンプルに言えば 「事業を営むために支出した費用」 のことです。 法律上の根拠は 所得税法第37条 にあり、次のように規定されています。

総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及び その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額

堅い表現ですが、要は 「売上を得るために使ったお金」と「事業を運営するために使ったお金」 の2種類が経費になる、ということです。

経費にできるかの判断軸

支出が経費になるかどうかは、次の3つの問いで判断できます。

  1. 事業との関連性: その支出は事業のためのものか? 売上や事業運営に貢献するか?
  2. 業務遂行上の必要性: 業務を行ううえで必要だった支出か? なくても困らないなら経費性は弱い
  3. 客観的な説明可能性: 第三者(税務署)に対し、事業との関係を説明できるか?

特に重要なのが3番目です。経費かどうかは 「あなたが説明できるかどうか」 で決まります。 レシートに用途をメモする、メール記録を残す、といった習慣が判断を助けます。

私生活との境界線(家事按分)

個人事業主の悩みの中心は 「事業と私生活が混在する支出」 です。代表例:

  • 自宅で仕事している → 家賃・電気代・水道代
  • 仕事用のスマホを私的にも使う → 携帯料金
  • 自家用車で営業先に向かう → ガソリン代・自動車保険
  • 仕事用のPCで動画を見る → PC購入費・通信費

これらは 「家事按分」 という考え方で処理します。所得税法では「業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合、その区分できる金額に限り必要経費に算入できる」とされています。

つまり、合理的な基準(使用面積比・使用時間比など)で「事業利用分」を計算し、その分だけを経費にする、というルールです。例えば自宅の30%を仕事部屋として使っているなら、家賃の30%を地代家賃に計上できます。

重要なのは、按分基準に 客観性と継続性 があることです。気分で毎月変えるのではなく、明確な基準を設定して継続的に適用してください。

経費にできないもの

以下は事業との関連が説明できても 経費にできない 代表的な支出です。

  • 所得税・住民税 — 個人の税金は経費ではない(事業税は経費になる)
  • 罰金・科料・延滞税 — 公序良俗の観点から経費不算入
  • 生計を一にする親族への給与・地代 — 原則として経費にならない(青色事業専従者給与は例外)
  • 事業主自身への給与 — 個人事業主は「給与」という概念がない(事業主貸として処理)
  • 完全に私的な支出 — 趣味のための買い物、家族との旅行(取材・研修など事業性が説明できる場合を除く)

記帳と保存の重要性

経費にしたい支出は、必ず 証憑(しょうひょう) を残すことが原則です。具体的には:

  • 領収書・レシート(必須)
  • 請求書・契約書
  • クレジットカード明細・銀行振込履歴
  • 電子取引データ(メール添付の領収書等。電子帳簿保存法により電子データのまま保存が必要)

帳簿の保存期間は 青色申告で7年、白色申告で5年(請求書等は5年)です。日々こまめに記帳しておけば、確定申告時期の負担が大幅に軽くなります。

迷ったときに使えるツール

「これ経費にできる?」と迷ったら、以下のサクッとツールが役立ちます。すべて無料・登録不要です。

開業時の届出を確認したい場合や、法人化を検討したい場合は以下のツールも参考にしてください。

よくある質問

そもそも「経費」とは何ですか?

事業を営むために支出した費用のことです。所得税法第37条で「収入を得るために直接要した費用、販売費、一般管理費その他業務上の費用」と規定されています。要するに「事業の売上や運営に関係している支出」が経費になります。

私生活で使うものは経費にできますか?

完全な私的支出は経費にできません。ただし事業と私用が混在する支出(自宅家賃・電気代・スマホ代など)は「家事按分」によって、業務遂行上直接必要だった部分のみ経費に計上できます。

レシートは絶対に必要ですか?

原則として支出を証明する書類(領収書・レシート・請求書等)の保存が必要です。青色申告で7年、白色申告で5年の保存義務があります。紛失した場合は、出金伝票や支払証明書で代替する方法もありますが、可能な限り原本を保管してください。

判断に迷う支出はどうすればいいですか?

「事業との関連性を客観的に説明できるか」を基準に判断します。事業との関連性が説明できない、または私的色彩が強いものは経費にしない方が安全です。具体的なケース判定はサクッと経費判定ツールで確認できます。

まとめ

経費の基本は「事業との関連性が客観的に説明できるか」の一点に尽きます。 迷ったときはこの問いに立ち返り、説明できないものは経費にしないという保守的な判断が、長期的にはトラブルを避ける最善策です。

個別具体的な判断はサクッと経費判定ツールで国税庁の根拠付きで確認できます。最終的な税務判断は税理士にご相談ください。

各ツールは一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。

最終的な判断は管轄の行政機関または専門家(税理士・行政書士等)にご確認ください。

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